現在の状況を正確に把握することから対策を始める
自身の収入と月々の支出を明確にしよう
借金を返していくことが難しい状況になったら、まずは支払い計画を立て直す必要があります。
最初の見通しが甘かったからこそ借りすぎてしまい、返済が難しくなってしまったことを充分に反省しつつ、自分にできる最善の方法でお金を返していかなければなりません。
- 収入が月々いくらあるのか
- 毎月の支出額がいくらあるのか
- 返済に充てられる余裕がどのくらいあるのか
- 返済日がいつなのか
こうした現在の自身の収入と支出を明確にするところから始めてください。返済が滞ってしまう方は、これらの状況を正確に理解していない方がほとんどです。
毎月いくらなら返せそうだというぼんやりとした見込みではなく、入ってくるお金に対して何にどのくらい充てられるかという正確な金額を知っていかなければなりません。
収入に関しては給与明細で把握できるでしょう。
そこから毎月どういった用途でお金が使われているのかを整理していきます。
生活費、税金、交際費などを差し引いて、最低限の生活を確保しつつどのくらいの金額を返していけるのを考えていきます。
また、借金の総額も把握しなければなりません。
複数の債権者から借り入れていてはっきりとした額がわからない場合には、請求書や領収書などを確かめて整理をしたり、どこからどれくらい借りているのかもわからなくなってしまっている場合には、信用情報機関に問い合わせをすることをおすすめします。
毎月どのくらいの返済額が必要か、何日に支払いをしなければならないのかまでしっかりと確認することが、計画的な返済の第一歩です。
元金を減らしていくことが大切
当然ですが、借金は元金が減らなければいつまでも返し終わりません。
毎月無理なく返せる額を考えていても、返済総額が多く利息ばかりの支払いになってしまっていては、いつまで経っても完済できないのです。
多少無理することになってでも、毎月コツコツと元金を減らしていくために頑張っていかなければ、それだけ返済にかかる期間が長くなり、その分苦しみ続けることになります。
元金が減っていくことで金利自体の負担も少なくなっていきますから、月々発生する利息に関してもしっかり把握していかなければなりません。
その上で、利息に支払う額よりも多く元金の返済に充てていけば、少しずつ利息も少なくなって完済に近づけることが可能です。
返済が難しくなっている人は、支払いに充てているお金でどのくらい元金が減っているのかもわからないということが少なくありません。
ただ返していくだけではなく、元金を減らす意識をしっかりと持って支払いをしていくように心がけてください。
収入を増やす努力をしていこう
返済に充てられるお金を増やす
賢くお金を返していくために必要なのは、返済に充てるお金を多く確保する努力をすることです。
必要となるお金は元金と利息を合計したものになりますが、返済額を増やして元金の支払いを多くすれば、それだけ早く効率よく借金を減らしていけます。そのためにも毎月の収入を増やす必要があるのです。
借りている期間が長くなればなるほどどんどん利息が膨らみますし、その分負担が大きくなっていきます。
少しでも早く元金を少なくして完済を目指すために、今の仕事にプラスして副業などを積極的に考えていくようにしてください。
仕事帰りにアルバイトをするのもいいでしょうし、パソコンを利用して在宅でも気軽に仕事ができる昨今です。
毎月数万円程度でも収入を増やせれば、それだけ完済が近づきます。
ただし、くれぐれも収入を増やそうとしてギャンブルで一攫千金を狙うようなことはしないでください。
返済が滞りやすい人は、お金に対しての考えが甘いタイプばかりです。
借金をさらに増やしてしまいかねません。
少しでも可能性があるからと楽に金儲けしようとせず、コツコツと働いて堅実に収入を増やしていくことが大切です。
節約術を身につける
収入を増やすだけではなく、毎月の支出を抑えていくことも必要です。
あまり切り詰めて自由のない生活になってはストレスばかり溜まりますが、切り詰められるものを切り詰めて無駄を省くように努力をすれば、支払いに充てられるお金を増やしていけます。
- 外食をやめて自炊する
- 自販機で飲みものを買わずに水筒を持ち歩く
- 飲酒や喫煙をやめる
- 食材は安売りの日にまとめ買いする
- 携帯電話を安いプランに切り替える
- クレジットカードの使用をやめる
こうした簡単なことでも1つ1つの出費は小さなものですが、1か月分となるとかなりの額が浮かせます。
さらに水道代や光熱費などで節約を意識していけば、毎月一定額の捻出が可能です。
給料日が来たらすぐに返済をする
まとまったお金が手に入ったら、すぐに使いたくなってしまいます。
誘惑に負けてしまわないように、給料日が来たらすぐに返済に充ててください。
また、ボーナスなどで臨時収入を得た場合にも、無駄遣いをする前に繰り上げ返済をしてしまいましょう。
こうすることで少なくとも延滞を防げますし、遅延金の発生で余計に借金を増やす危険がなくなります。
借入先によって返済日が異なりますので、必ずしも給料日のすぐ後に返していけるように設定できるとは限りませんが、入金された段階で支払いに充てる分をしっかりと分けて、それ以外の用途で使わないようにしてください。
返済が難しければおまとめローンの利用を検討しよう
複数の借金をまとめる方法
おまとめローンは多重債務者に向けたサービスで、複数の債権者からの借り入れを1つにまとめられるものです。
これまで借入先ごとに設定されていた支払い日が、おまとめローンでまとめた1社のみに対して発生することになりますので、返済計画を立てやすくなるのが大きなメリットになります。
ただし、複数の借金をまとめることで金額も当然大きくなりますので、申し込み審査が厳しいものになります。
収入や雇用形態などで落ちてしまうことも少なくありません。
しかし、多重債務になってしまっている場合には一度利用を考えて、どのくらい返済を楽にできるか調べるのがおすすめです。
慎重に決めていきたいおまとめローンの利用
おまとめローンの利用で返済を楽にしたい場合、注目するべきは金利の負担を減らすことです。
これまでなるべく早い完済を目指して努力していたけれども、月々の負担がどうしても減らないという場合、返済期間が長くなってしまってもいいと判断すれば、毎月の返済額を少なくすることが可能になります。
金利さえ下がれば何とか支払いが滞りなく行えそうだという場合には、前向きに検討するといいでしょう。
ただし、返済期間が長くなればトータルで支払う金利が多くなってしまうこともあります。
自分にとってどういったメリットがあるのかを慎重に検討してから利用を決めてください。
返済できなくなりそうなら債務整理を考えよう
借金額を減らす合法的な手段を知っておく
どうやっても借金が減らせない、返済も難しく首が回らなくなってしまったら、債務整理を検討するのがおすすめです。
任意整理、個人再生、自己破産とそれぞれ借金を減らしたり0にできる法的な手段で、月々の負担を減らして完済を目指したり、借金を帳消しにして生活を再生することを目的としています。
- 債権者と示談し利息をカットするなどして完済を目指す任意整理
- 裁判所に申し立てをして元金をカットし完済を目指す個人再生
- 資産を手放す代わりに借金を帳消しにする自己破産
債務整理の手段でどれが適しているのかは、個人の状況によって異なります。
消費者金融業者、クレジットカードなど信販会社などから借りたお金をまとめて整理できますので、まずは弁護士事務所の無料相談窓口で現在の借金状況を相談に行くようにしてください。
デメリットもしっかり理解すること
債務整理を行うことで負担はかなり楽になりますが、一定期間ブラックリストに載ることになります。
信用情報に傷がつき新たな借金ができなくなりますので、しばらくはクレジットカードを作ったり、大きな買い物をするためにローンを組めなくなる点は注意しなければなりません。
裁判所を通す個人再生や自己破産の場合には、官報公告にも個人情報が載ります。
また、自己破産の手続き中は一定の職業に就業できなくなるなど制限を受けるため、デメリットを知った上で利用を考えましょう。